いつまでも生きがいとか言ってんじゃねぇよ (^^)/

7.27.2010

亀山訳ドストエフスキー

亀山郁夫訳ドストエフスキーは、「カラマーゾフの兄弟」、「罪と罰」に続いて、「悪霊」に取りかかっているそうです。
おお、そうか。そうだろうな。
「白痴」でもよかったが、ちょっと退屈だし。
言うまでもなく、ドストエフスキーは、世界文学史上、もっとも偉大な作家です。
なかでも、五大長編に至っては、作品じたいが、作家の意図を超えるようなスケールになります。
「未成年」などは、ワケのわからないものになってしまいました。

「悪霊」は、どろどろした物語に入る前に(入ってからも)ステパン・ヴェルホーヴェンスキーという人物(ピョートルの父)のどたばたに、しばらく(その後もしばしば)付き合わされます。
これが、結構わずらわしいのですが、このピエロ役は、俗っぽいながらも、かなりの教養人で、愛すべき人物です。
もちろん、彼は、舞台の前景にすぎません。
物語が進むにつれて、後方から、忌まわしくも魅力的なキャラクターが、次々と立ち現れてきます。

光文社の果敢な(無謀な?)企画に、感謝したいところですが、実は、この古典新訳文庫シリーズの翻訳には、問題が多いという。
要するに、誤訳が多い。
野崎歓訳「赤と黒」や森田成也訳「レーニン」は、「誤訳博覧会」と揶揄されているそうです。
亀山訳「カラマーゾフの兄弟」は、異例のベストセラーになり、勝てば官軍といったところですが、ロシア文学者木下豊房氏が、原文と先行訳(米川正夫、原卓也、江川卓)と比較し、誤訳の部分だけでなく、意味を伝える日本語の文章として、適切なのかという点にまで踏み込んで批判しています。

一連の批判では、亀山郁夫という翻訳者の仕事がズサンだったというだけでなく、数多く発表されている作品解釈の著述に対しても、多くの問題点が指摘されています。
ロシア文学者であり、東京外国語大学の学長でもある彼は、これらの批判にきちんと反論して、学問的良心を示してほしいと思います。