物語の中の「説明」
「検屍官」シリーズは、最初、一人称(ケイ・スカーペッタ)の語りでした。
マリーノやベントンの描き方が平板だというレビューもありましたが、ケイの視点からのみ描かれるのだから、ある程度は仕方ありません。
巻が重なるにつれて、物語も複雑化し、一人称で進行させることが難しくなってきたのでしょう。
で、その後、三人称に変わって、登場人物それぞれの内面が描かれるようになると、物語が重層的に進行し、おもしろく感じられる面もありましたが、情報量が増え、それがかえって物語のスムーズな流れを阻害していました。
ケイには知り得ないような武器やコンピュータシステムや心理分析の説明が、登場人物の内面と併せて、あるいは、地の文で展開されることになり、それがあまりに多いと、ありがた迷惑は否めません。
シリーズものの難しさで、前作よりパワーアップすることが求められると、そうした「説明」に頼りがちになるのかもしれません。

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