いつまでも生きがいとか言ってんじゃねぇよ (^^)/

7.28.2009

さすがだ

清水義範「身もフタもない日本文学史」は、ちょっといい。
いや、かなりいい。
わかりやすさを目指して、くだけた語り口の解説本は、たくさんあるけれど、これの右に出るものはないだろう。
さすがだ。
PHP新書ってのが難点だが、ぜひ中高生に読んでほしい。
でも、兵庫県で無免許のうえドリフト走行して人をはねたガキ共も、この国では義務教育なんて野蛮な制度のせいで、一応文字が読めるだろうが、あいつらには読んでほしくないね。

7.16.2009

どうしようもない話

レンタルで「レヴォリューショナリー・ロード」を見た。
妻は毎日の家事に疲れ、夫は仕事に疲れている。
そんな虚しい日常生活を捨てパリへ行くことを計画する。
パリでは妻が働き、夫はプラプラしながら自分のしたいことを見つける。
それが夢だと言われてもね。
しかも、それが妻からの提案で、夫はなんとなく押し切られて同意してしまう。
ところが、夫は会社で昇進し、やりがいのようなものを感じ始めてくる。
転居の準備をするうちに、妻の妊娠が発覚する。
夫婦の間に齟齬が生じ、パリ行きの夢は中止される。
互いの浮気もエピソードとして挿入される。
パリ行きの話は、非現実的だけれど、大して重要な要素ではない。
パリでなくても、どこでもいいのだ。
ここ以外の別な場所で別の生活をする。
要するに、誰もが夢見るところの日常生活からの脱出だ。
本当に何か目的があったり、才能があるのにかなえられないという、自己実現の問題ではない。
達成されるべき目的も持たないし、実現されるべき才能の開花も期待できない、平凡な一市民が、みすからの日常生活に耐えられなくなったら、どうなるか?
そういう話なのだろう。
どうしようもない話である。
ただ、ディカプリオは、すばらしい。