実は、5日から入院していた。
発熱は、先月の28日だったけれど、その前(25日頃)から、発疹がポツポツ出始めていたのだ。
なんかだるいようなひどく疲れたような感じがしていたので、すでに微熱があったかもしれない。
1日、こりゃダメだと妻に強く言われ、仕事を休み、受診する。
最初、風しんじゃないかと思った。(私は免疫がないと思っていたので)
皮膚科に回される。
「風しんの症状の出方ではありません。何らかのウイルス性疾患でしょう。」
と言われ、解熱剤とかゆみ止めを出される。
6日に再度受診することになる。
毎朝、38度台の熱。(39度を超えるときも)
解熱剤を飲むと、じきに下がるけれど、またじわじわと上がり始め、氷枕にアタマを突っ込んでいる。
そのくりかえし。
大型連休、この氷枕だけが友だちだった。
3日深夜、こりゃダメだと妻に強く言われ、6日まで待てないと、先日受診した病院の救急に向かう。
ずいぶん待たされたけれど、診察室に入ったら、あれやこれや質問され、時間をかけて調べられる。
救急なのにこんなにひとりにかけていて大丈夫なのか。(って私が言うのもヘンだけれど)
研修医が多い。
研修医は、すぐわかる。触診が触診になってないからだ。
いやそんなことはどうでもいい。スタッフドクターらしき人も、やってくる。小児科の医師まで見物に来る。私の症状は、うまくハマらない症例だったらしい。
このとき、全身発疹だらけにもかかわらず、顔にはほとんど異状がなかった。
何らかのアレルギー反応でしょうと言われる。
点滴を受け、座薬(解熱剤)を入れ、帰される。
Sという内科医が、5日に受診できますかと聞くので、受診することにする。
帰宅したら、午前4時だった。
5日受診。
顔にも症状が出始める。ウロコ岩(?)のような隆起が首筋から頬にかけてでき、全体にむくんでいる。
あいかわらずの発熱。ますますひどくなる発疹。リンパの腫れ。
夜、ほとんど眠られず。始めはあった食欲もなくなり、消耗がはげしい。
そのまま内科病棟に入院。主治医はHという内科医。
もとは皮膚科を受診した患者が、次回受診日まで待てずに、救急にかかり、別の科に入院。
薬剤アレルギーではないかと考えた内科と、必ずしもそうではないと考えた皮膚科。
内科に入院した以上、内科の患者になるのだけれど、その後、治療方針(ステロイド剤の使用)をめぐって、意見の相違があったものと思われる。
というか、直接きちんとした意見交換があったとは思われない。
こんなときこそ、病院薬剤師の出番だ。うまく橋渡しを期待したい。
6日、顔はパンパンに腫れ、両目が開けられないほどだ。
おお、目だけは朝青龍みたい。
膿包とかさぶた。異様な汚らしさだ。
予定通り、皮膚科を受診。
夜からステロイド剤の点滴。
毎日の採血。
「チクッとしますよ」と言う。
言葉というのは便利だ。これは、チクッとじゃなく、グサッとだ。
刺しても痛くない注射針が開発されていると聞いたけれど、あれはウソなのか。
病院食はシンプル、まずくはない。
量もこれで十分だし、おかずもこれ以上必要ない。
ふだんどれだけ余分なものを食べているかがわかる。
7日、顔は怪獣になってしまったけれど、肉体的には劇的に楽になる。
本を読む余裕さえ出てきた。
でも、これは治ってきたからではなく、見せかけのものだということが、あとでわかる。
体中かゆい。
かかないように注意していても、ついかいてしまう。
特に、夜は(眠れないせいもあるけれど)かゆくてかゆくてたまらない。あちこち散漫にかいたり、集中してかいたり、テーマを決めて(?)かいたり。
なるべくかかないで眠れ。というのは、なるべく息をしないで眠れと言われているようなものだ。
8日、錠剤に変わる。
プレドニン6錠(30mg)、朝、全部飲む。
9日に4錠(20mg)、10日に2錠(10mg)飲んで、状態がよければ、その10日にも退院と聞かされて喜ぶ。あとは、通院と自宅療養というわけだ。
診断書は、薬剤過敏症、肝機能障害となっていた。
胸のレントゲン撮影。上腹部の超音波撮影。ウイルス検査。麻しんと風しんの検査。
血液検査の経過では、当然肝機能が落ちている。
好酸球数の増加。
少しずつ正常値に回復しつつあるようなないような。
9日の朝、微熱。
少しだるい。よくない兆候だ。
体力的に消耗していると、微熱であっても、コタえる。
また氷枕と友だち。
サッカーキリンカップのつまらないゲームを見たあと、背中に痛みを感じる。
ベッドに横になってばかりいるからかと思ったけれど、体の中からの痛みだ。
背中の中心部から左側。臓器でいえば膵臓の辺りだ。
ガマンしていたものの、とうとうこらえられず、ナースコールを押す。
説明しているのに、発疹があるから湿布は張れないなどバカなことを言う。
医師の指示を受けたのか、すでに処方されているカロナール錠を飲むように言われる。
カロナール効かず。
2時間耐えたけれど、限界となり、ナースコールに泣きつく。
そっちは夜勤が仕事。こっちは痛がる患者の役割だからしょうがない。
座薬の鎮痛剤を入れる。(座薬は自分で入れることにしている)
座薬全然効かず。
七転八倒。寝ていても座っていても、痛い。
激痛というわけでない。鈍い痛みがジワッと強まり、そのまま同じ調子で続いているような感じ。
どうにもならず、最後には立ち上がって、体をかきながら、時間が過ぎるのをただ待っている。
こりゃ拷問だ。
看護師が覗きに来て、医師を呼んでくれたらしい。
来たのは若い女性。また研修医だ。
ここは、ドクターヘリを常駐させるような大病院なのに、夜勤体制は、何も知らない看護師と経験のない研修医しかいないのか。
ベッド脇の電話(外線もかけられる)から119番しようかと思ったというジョークを思いつく。
尿検査、血液検査。(結果は真夜中でもすぐに出る)
超音波検査。う~早く痛み止めを打ってくれ~
たぶん手順があるんだろう、ようやく麻薬系の鎮痛剤(何か知らない)を注射してくれる。
ようやく落ち着き、明け方、うとうと。
(しかし、この部分の騒動は、今回の病気の原因と関係ないかもしれない)
10日、微熱。軽いだるさ。
朝、H医師は、退院の延期も考えましょうと言っていたけれど、その後、たぶん上司に判断を仰いだんだろう、予定通り退院可能と変わった。
午前中に予定していたCT撮影は中止。(造影剤を入れて、反応するリスクもあるのでと)
今回の病状は、血液好酸球数の増加からみて、何らかのアレルギー反応なので、皮膚科と相談のうえ、ステロイド剤をもう少し使って様子を見るということになったそうだ。
プレドニンを6錠(30mg)に戻し、次回通院日16日まで続けることになる。
午後、皮膚科受診。
その後、H医師からこれまでの検査結果などについて説明を受ける。
ヒトヘルペス何号ウイルス?の検査(保険外)は、まだ結果が出ていない。
麻しん、風しんの検査結果は、過去にかかったことがあるということ。(風しんにもかかっていたんだ)
腹部超音波検査は、特に所見なし。いや、胆のうの壁が一部厚くなり、炎症の兆候か? あとは前から持っていた肝嚢胞。
肝機能は、データ的にみて横ばいか、もしくは回復傾向。
火急のときでもあるし、肝臓に負担がかかるのは、あきらめるしかない。
でもって、処方薬をもらい、退院手続きを行って、ようやく帰宅。
発熱が不安。
あとは、この怪獣から人間に戻った顔を、どう修復すればいいのか。