それがどうなの
坪内祐三「考える人」(文庫版で出たところだった)の一番目は、小林秀雄だけれど、これがほとんど意味不明なのだ。
若い頃、小林秀雄には、妙な反感を覚えていて、ろくに読んでいなかったが、「本居宣長」だけは持っていた。
それで思い出して、見てみると、小林秀雄全集の一巻で、昭和54年発行だった。
すべて歴史的仮名遣い(正字正仮名)である。
しおりひもが84ページ目に挟まっていて、難解さに(いったい何を言いたいのかわからないことに)辟易して投げ出したあとが、明瞭だった。
当代随一の知性が、何かしら意味ありげなことを延々と語っている。
しかし、いったいこれは評論なのだろうか? と思った記憶がある。
要するに、内容が理解できなくて投げ出したのだった。
だからいまどうするという話でもない。